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2024.1.31 07:00ゴー宣道場

美術から見る、西洋と日本の文化の違い

皆さん、おはようございます。
ゴー宣ジャーナリストの水曜担当のしろくまです。

今回は、美術から現代の社会に関連することを紹介していきます。美術には「宗教」が関わっています。そこから西洋と日本を比較して日本的なもの、文化の違いを見ていきたいと思います。
【西洋と日本の宗教の違い】
西洋では聖地巡礼の「聖地」があります。聖者のゆかりのある土地を「聖地」と呼び、そこが最終目的地であり、聖地に到達するまで巡礼の旅をしていきます。
スペインのサンティアゴ・デ・コンポステラの聖ヤコブの殉教の地や、イエス・キリストが活躍したパレスチナの聖地があります。教会、建物の中に入ることで内と外の世界をしっかりと区別されています。
フランスの「ノートルダム大聖堂」は入口から入ることで外の俗世間から神の世界に入ることになります。

ゴシック建築で左右対称の「ノートルダム大聖堂」の建設が始まったのは1163年から1345年に完成しました。
その時と同じ頃、日本の鎌倉時代の「春日宮曼荼羅」の絵を見てみてください。

【春日宮曼荼羅】 鎌倉時代・13世紀
広い敷地の中に鳥居があり、高さが同じくらいの建物が並んでいます。その奥に大きな春日山が描かれています。自然の山が神様だということです。
建物だけでなく、この地域全体が神域であり、人と建物、全てが自然と調和していることです。鳥居から入ったとしても横からも入れそうだし、西洋のように建物で物理的に区別していないのがわかります。
日本は各地に神社がありますが巡礼する順番や特定の最終目的地もなく、特定の聖者でなく八百万の神々であり、山川草木の中に神の存在を見るという感性があります。
逆に、西洋では巡礼の記録には自然に対する美しさを表す描写が少ないのです。
アルプスの山々は悪魔が住むと信じられていたり、当時は自然の美しさを認めることは神への信仰に背くことになると記録されていました。後に自然の美しさを崇拝するようになるのは18世紀以降になってからです。
それまでの理性的、合理的な古典主義・教条主義の権威への反発から、個人の主観や感性を重視し、ありのままの自然や現実に起こっていることを捉えるようになりました。

そこから区別している西洋と区別していない日本、それは美術にも現れています。
日本はかなり昔から絵と文字が一緒に描かれていることです。
西洋では、絵と文字は全く別物として見ていました。

「(六歌仙)喜撰法師」 葛飾北斎
リズミカルに上下に文字が並んでいたり、人物に文字が隠れていたり文字も絵にするデザイン感覚があること、西洋と違った日本独自の感性の違いを見ることが出来ます。

それと同様に、絵と文字を使っている身近なものでは「絵文字」これも日本発祥です(^_^)
また漫画も絵と文字が一緒にあり「音」を文字で表現しています。音の無いものまで「音」として文字で表すなど「パッ」「ピタッ」「シーン・・」など、独特な文字での表現をしています。
エンタメにも繋がりますが、昔から「音」の捉え方にも何かあるのではと思います。
今回はざっくりと紹介しましたが、昔からの人々と自然との関わり、美術にも日本独自の文化は今でも続いていることが分かります。その日本独自の感性を敢えて無くすことがないよう、大事にしていくことが重要だと思います。
次回も続きますのでどうぞよろしくお願いします。

 


 

 

【トッキーコメント】
こうして見ると、西洋と日本では何から何まで対照的ということに驚かされます。
絵と文字の区別がなかったということなどは、まさに日本で漫画が発展した重要な要素のひとつと言えますし、実に興味深いです。

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